私は歩く









暗く長い通路を









かつてあの人が走り抜けたであろうこの道を









最後の任務を終えるため









Saklas

Apocalypse Ending1



「…私は…なんのために…存在してきたのでしょうか」


そんな言葉が口から漏れる


分かっているはずなのに


私の役割は、ヤルダバオトの監視及びアッシュの任務遂行の補佐であること


アッシュの任務は当の昔に達成されているし、ヤルダバオトも先ほど静止した


ならば…私はもう必要の無い存在ということになる


ここを進み終えれば…私は死ぬ


ふと…先ほどのビジョンを思い出した


あのビジョンはなんだったのだろうか


願望、希望、欲望


それともやはり夢なのだろうか


(ありえませんね)


だって私は…機械なのだから









「………」


無言のまま私は俯く


いろんなことが私の頭の中を巡った


私を創りだしてくれたカレンのこと


私を可愛がってくれたリシェのこと


そして…アッシュのこと


(…これが…走馬灯と呼ばれるものですか……いえ、ありえませんね)


緩んだ口元をきゅっと閉める


私は顔を上げ、歩む速度を上げ、先へと進んでいく


暗い…暗い通路を


まるで…


私の未来を表しているかのように














「…おひさしぶりですね、アッシュ」